
小説家、哲学者、脚本家、デザイナーなど新旧27人による短編アンソロジー。自転車にまつわるエッセイ、小説、詩、漫画。乗り始めた頃、思い出の風景、最も身近なのりものが、私たちの生活にもたらす喜び・愉しみを味わう。
【目次】
1 はじめる
三浦しをん 空気
群ようこ サイクリングばあさん
夏目漱石 自転車日記
萩原朔太郎 自転車日記
小川未明 父親と自転車
角田光代 これからは歩くのだ
〈忌野清志郎 『サイクリング・ブルース』より〉
2 ふりかえる
押川春浪 異形の風体(自転車を脊負て)――中村春吉「世界無銭旅行」より
織田作之助 電報
北杜夫 自転車に乗る女
江戸川乱歩 サイクルおしゃれ時代
吉行淳之介 自転車事故
〈金子みすゞ 「電報くばり」〉
3 考える
柴田元幸 自転車に乗って
伊藤礼 自転車をこいでいる人間は何を考えているのか
真鍋博 自転車、そして自転車の思想
中井久夫 ある少女
〈宮沢賢治 〔馬行き人行き自転車行きて〕〉
4 旅する
羽田圭介 しまなみ海道をゆく
藤崎彩織 ビワイチ
半村良 自転車、山の辺、ふしぎなホテル
〈山松ゆうきち まくりのアサちゃん〉
5 いつでも、どこまでも
北川悦吏子 木漏れ日と自転車
志賀直哉 自転車
吉本隆明 自転車哀歌
久世光彦 自転車の時代
益田ミリ 優しい言葉