
1957年のソ連の実験によって、スプートニク2号に乗せられ、宇宙に放たれた犬・ライカ。彼女は冷たい暗闇の中でその命を失うも、突如現れた神から新しい体を与えられる。人間への復讐に燃える彼女は、種を増やし、文明をつくり、凄まじいほどの軍事力まで手に入れた。
数年後、ライカは仲間の犬を引き連れ、母星・地球にむけて出発する。
自分を追いやった人類を滅ぼし、再び故郷で暮らすために――。
「生と死」、「愛と憎しみ」など、心を抉るテーマに果敢に挑んできた吉田真百合のデビュー作。表題作に加え、掲載時反響の大きかった「愛の焦土」など3本の読切も収録した豪華特厚224P。