アール・ブリュット/アウトサイダー・アートの作品集としては異例の物量(4冊組)。
意味と無意味、具象と抽象。その境界が曖昧に表出した「憑依文字(文様)」が、日めくりカレンダー、チラシ、ノート等に炸裂。
各巻頭のテキストは、作家の通う知的障害者のためのアトリエ「アトリエひこ」の石﨑史子さん。作者の生い立ちを客観的に追いながら、解説でも評論でもない形で「表現」というものの本質に触れています。
松本国三(まつもとくにぞう)
1962年、大阪市生まれ。通天閣近くの家業の中華料理店を手伝う傍ら、1988年頃より書くことが日課となる。1995年より「アトリエひこ」に参加。歌舞伎や茶道、少年アイドルなど関心を持つジャンルにまつわる文字を選び、身近な紙に書き写す。作品は、ローザンヌのアール・ブリュット・コレクション、パリのポンピドゥー・センターなどに収蔵。