病気の近親者を介護する若者、ヤングケアラーという存在。病気の親や兄弟姉妹を、人知れず世話する若者たちがいる。特に、病気が精神疾患の場合、世間の偏見もありカミングアウトするのは、勇気がいる。子どもが家族の病気を知られたくないと思う多くの酌むべき事情。民際学を志すノンフィクション作家である著者自身が綴るヤングケアラー体験。葛藤の記録。
序章 ヤングケアラーの四六年
第一章 中学時代
第二章 暗中模索
第三章 医師との邂逅
第四章 シマ豆腐をめぐる長い旅
第五章 母の親離れ
第六章 有機野菜とラベリング
第七章 父の思い
第八章 従姉の自死
第九章 偏見と支えと
第十章 狂気の意味するもの
終章 こころの色、こころの形