ソウルで奔放に育ったはずのホンヨン。
家父長制が根強く残る大邱(テグ)からの脱出を試みるコンジュ。
ふたりの女の乾いた涙の跡にうつしだされる「友情」の物語。
韓国の人気漫画家ソン・アラムの代表作を『韓国が嫌いで』の訳者、吉良佳奈江が全訳。
東京・下北沢でグラフィックノベル専門書店「BSEアーカイブ」を主宰する町山広美のコラムを収録。
韓国第3の都市、大邱からの脱出を試みるエディター志望のコンジュ。ソウル育ちのイラストレーター、ホンヨンは「男なんてもうまっぴら」のはずだった−。女たちの友情を描いた韓国の漫画家ソン・アラムの作品を日本語訳。
帯文:「家を出よう、女たち。たとえまた帰る日があるとしてもー。この勝ち負けのない戦い、迷いと充足の物語が漫画という形で表現されたことを、同じ仕事をするものとしてありがたく誇らしく思います。」近藤ようこ(漫画家)
〇著者紹介
ソン アラム :1981年ソウル生まれ。漫画家。
高卒認定試験を経て法学部に進むも学外でのマンガ講座に熱中し、卒業後は漫画家への道を歩き始めた。
2007年から自伝的な漫画を描く。
2013年に「大邱の夜、ソウルの夜」の第1部となる「大邱の夜」を発表。代表作に「자꾸 생각나(何度も思い出す)」(ミメシス、2015)などがある。本書は作家にとって初めての日本語版。
吉良 佳奈江 :1971年静岡県生まれ。
東京外国語大学日本語学科、朝鮮語学科卒。
おもな翻訳に『韓国が嫌いで』(ころから)、『二度の自画像』(東京外国語大学出版会)、『退社』(たべるのがおそい第7号所収)などがある。
町山 広美 :1964年東京都生まれ。放送作家、コラムニスト。
東京・下北沢のグラフィックノベルを中心に扱う新刊・古書店「BSEアーカイブ」主宰。
〇出版社: ころから
〇B5変形、並製、176ページ
〇ISBN:978-4-907239-59-6
〇 KGB 韓国グラフィックノベル:ころからとBSEアーカイブの協働によって刊行されるアジアルーツの作家を中心としたグラフィックノベルのレーベル。