ソール・ベロー、スタインベックから、トニ・モリスン、アドリエンヌ・リッチまで。現代作家の小説や詩から、北米先住民の口承文学まで。J・D・サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の主人公ホールデンに自分を重ねる大学生で文筆家の著者が、アメリカ文学・海外文学を読みながら、《生活すること・生きること・感じること》について綴った18編のエッセイを収録。各エッセイの末尾には、読書案内として、本書で紹介したアメリカ文学・海外文学などの本の情報を掲載。
目次
はじめに
情けない人々
——ソール・ベロー『この日をつかめ』
鮮やかな乾き
——スタインベック『赤い小馬』
私たちの引っ越し
——リンドグレーン『ロッタちゃんのひっこし』
帰る場所を求めて
——セアドー・レトキーの詩
ホールデン・コールフィールドに捧ぐ
——J・D・サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』
最近読んだものの周りうろうろしつつ東京に一人暮らししてる友人に向けて
——マーシャ・ノーマン『おやすみ、母さん』
他人という「気」
——ウィリアム・サローヤン『人間喜劇』
離れる
——パヴェーゼ『月と篝火』
鏡
——カーソン・マッカラーズ『結婚式のメンバー』
まだ消えていない炎のこと
——カーソン・マッカラーズ『心は孤独な狩人』
一人の中の多数の人間
——マリオ・バルガス=リョサ『ケルト人の夢』
「もの」そのものへ
——W・C・ウィリアムズの詩
ぶらつく詩人
——フランク・オハラの詩
孤独と優しさ
——エリザベス・ビショップの詩
それがこれです
——ガートルード・スタインの「自伝」
根を求める
——金関寿夫『アメリカ・インディアンの詩』
(私たちの)願いのこと
——トニ・モリスン『青い眼がほしい』
親愛なる私(たち)へ
——アドリエンヌ・リッチの詩
おわりに