
日本の植民地統治下で、朝鮮映画は戦場に向かう「志願兵」たちをどのように描いたか?戦後の日本映画は、朝鮮人志願兵の面影をどこに残したか?
日中戦争(1937-45年)下、「志願兵」制度に応募していく朝鮮人青年たちの描かれ方に注目しながら、当時の「皇民化」運動が、朝鮮の青年にとって、外在的な官製キャンペーンから内発的な行動へと深化させられていく切実な過程の様子。また、戦後の日本映画がこうした朝鮮人「志願兵」の面影をどこにとどめて、新しい時代の表現に向かってきたのかということも考察した異色の映画史論。講義形式による構成で、聞き手は作家・黒川創。