1993年、山梨県北杜市の八ヶ岳の麓でスタートしたGallery Trax。インテリアデザイナーの木村二郎と、デザイナーだった三好悦子の二人によって始まったこのギャラリーは、廃校の保育所を木村自らの手で改装し、木村が手がけた家具やオブジェがその空間に配されていた。亡くなるまでの11年程という短い期間に、創作意欲に溢れた数々の家具やオブジェを生み出し、益子のスターネットの設計など、ユニークな建築物も手がけた。没後20年経ったいまなお色褪せることない膨大な写真や資料から、Traxを軸にしながら家具やオブジェ、空間作りをまとめた１冊。Traxとゆかりのある坂口恭平、エレン・フライス、松下透(SIDE CORE)の書き下ろしテキストのほか、木村のスケッチや図面、インスピレーション源となる庭や縄文の写真なども収録。Traxというギャラリーであり、木村二郎の作品である場所とともに、その創造の軌跡を紐解く。