※サイン本ではありません
縦ひらき、本文横組み、2色カラー印刷、A5変形の正方形という面白い判型で、志賀理江子による写真30点を収録した演劇作家・飴屋法水の小説。小説ではあるものの、いわゆる小説ともまたすこし違った趣きで、これまでの演劇やさまざまな表現で問うてきたことの集大成といえる内容。理由もわからず生まれてきて、生きている、、、そして、いずれ死ぬことが定められていることについて、また、人間と動物はなにが違うのか、生きること、生き物の本質を見つめ続けてきたまなざし。
飴屋法水:
1961 年山梨県生まれ、東京都在住。演劇、美術、文筆をはじめ、領域を横断しながら一貫して、人間の「生」の根源を見つめる独自の表現をおこなう。高校在学中、唐十郎の「状況劇場」に音響担当として加わり、83年「東京グランギニョル」を結成、演出家として独立。90 年代は主に現代美術の分野で活動。その後、動物商となり、2005 年「バ ング ント」展で美術活動を、07 年「転校生」で演劇活動を再開。以来、フェスティバル・トーキョー、国東半島芸術祭などに参加。東日本大震災後、いわき総合高校の生徒とともに校庭で「ブルーシート」を上演。著書に『君は珍獣 ( ケダモノ ) と暮らせるか?』『ブルーシート』『彼の娘』がある。