1941年、旭川師範学校美術部の生徒たちが特高警察に検挙された「生活図画事件」。今を生きる当事者2人の生活を通して、80年前の事件を見る。戦中の北海道旭川で美術部の学生だった菱谷良一氏(98歳)と松本五郎氏(99歳)の今の生活、そして彼らが特高警察に逮捕された「生活図画事件」を追いつづける宮田汎氏(82歳)の姿を髙橋が撮影した「現代」の写真。そして彼らが大切に保管していた「過去」の写真や資料をもとに構成。
「テロ等準備罪」が成立した今、当時絵を描いていただけで「治安維持法」に反するとして逮捕されてしまった2人を、「生活」という視点で見つめたこの写真集が何か、現代の私たちの状況や生活を考える材料となるものを写しているのではないか。静かに進んでいくページの中に問いかけを多く含んだ写真集