マグナム・フォトの写真家でもあるリンドクフレ・ソベクワの作品集。13歳の姉が失踪した日、車にはねられた当時7歳だった作者は、その後十数年間、姉と会うことがなかったという。そして作家が写真家として活躍しはじめたある日、学校から戻ると、その姉が家にいた。その際、彼女は『写真を撮ったら、あなたを殺すわよ』と伝え、その数日後に亡くなったらしい。失踪した姉の形跡を辿る旅を通じて、アフリカのアパルトヘイトや植民地主義における失踪事件のトラウマや貧困、社会的分断を、スクラップブックの形式で記録した内容。シンプルで力強い手書きのメモがなお、痛烈な現状を心に訴えかける。