南アフリカ・ヨハネスブルグ生まれのアーティスト、 アダム・ブルームバーグ(Adam Broomberg)と、ベルリンとニューヨークを拠点に活動するフォトグラファー、アーティストのラファエル・ゴンザレス(Rafael Gonzalez)による作品集。オリーブの木は、パレスチナ人のアイデンティティであり、文化であり、抵抗のトーテムである。10万世帯以上のパレスチナ人世帯の生計を支え、伝統と帰属意識の中心であり、そして長きにわたり破壊と盗難の標的であった。1967年より、80万ものパレスチナのオリーブの木はイスラエル当局と移民によって壊されてきた。作者らは、過去18カ月にわたりパレスチナ暫定自治区で、樹齢数千年にも及ぶオリーブの木を撮影してきた。歴史的であり変容を遂げながら、常に争われ、変造され、着実に破壊されてきた風景の中で不動の定点として役割を果たして来た木々を写した、我々の目を釘付けにするほどの「ポートレイト」をまとめた一冊。それぞれのオリーブの木の肖像は、パレスチナの人々の存在と再起、そしてその土地と彼らとの関係の証明となっている。