目に見えず、触れることもできないものの、確かにそこに存在するように感じる「何か」、不可視の存在と写真の関係を考えた「ゴースト/Ghost」特集。写真は、人々の観念の表れであると同時に、目には見えない「幽霊」や「霊魂」といったものに近いメディアなのではないだろうか。写真が捉える物質的なイメージとその背後に潜む記憶や曖昧な要素を写真家の作品や執筆陣の論考を通して多角的に探求。
巻頭作家、志賀理江子。 阿部淳、岩根愛、苅部太郎、永瀬沙世、吉野英理香、須田一政の口絵とテキストを掲載。巻頭論評は大山顕「心霊写真は死んだのか?」、 浜野志保、北桂樹の論評、飯沢耕太郎「写真評論家の眼・志賀理江子をトレースする」を収録。
《目次》 [口絵 ARTWORKS]志賀理江子「霧の中の対話:宮城県牝鹿半島山中にて、食猟師の小野寺望さんが話したこと」、阿部 淳、岩根 愛、苅部太郎、永瀬沙世、吉野英理香、百々俊二[LONG ESSAY]大山 顕「心霊写真は死んだのか?」、浜野志保「エイダ・エマ・ディーンの心霊集合写真」、北 桂樹「2000年代以降の日本の現代写真 写真の物質性」[SPECIAL]須田一政「Temptation + 私の写真と記憶についての断片」[SPECIAL GALLERY]ふげん社写真賞 第三回グランプリ受賞 浦部裕紀[CURRENT REVIEW]飯沢耕太郎「時評 写真評論家の眼」[INTERVIEW]巻頭インタビュー 志賀理江子(聞き手=飯沢耕太郎)、ベルギーの日本写真専門のギャラリー「IBASHO」マルティン&アンヌマリー(聞き手=速水惟広)、KG+ SELECT2024グランプリ 劉星佑[REPORT]、大塚 勉『TRANS-BODY』、清里フォトアートミュージアム[SHORT ESSAY]大西みつぐ「波間の夢「80年代」とカラー写真」[COLUMN]小田原のどか/石井朋彦/八木寧子/山﨑修平/マーク・ロビンソン[MECHANISM]座談会:赤城耕一、豊田慶記、ミゾタユキ[PHOTOBOOK]Hi Bridge Books/曲線/トトノエル/tata/IACK/ほんの入り口/橙書店[EXHIBITION REVIEW]タカザワケンジ/タシロユウキ/鳥原学/河島えみ