かつて京都には、こんな読書会があった!「日本小説を読む会」の盛衰史が、その中心人物、作家・山田稔によって語られる。熟読、分析、毒舌のかぎりを尽くした「日本の小説」16作品をマナイタに上げての徹底討論も収録!
目次
一、「日本小説を読む会」盛衰史 山田稔
二、小説をこんな風に読んだ──討論の記録
井上光晴「死者の時」 (1960年)/山田稔[報告者]
深沢七郎「風流夢譚」 (1960年)/西川長夫
高見順「いやな感じ」 (1963年)/多田道太郎
近松秋江「黒髪」 (1924年)/杉本秀太郎
安岡章太郎「海辺の光景」 (1959年)/大槻鉄男
黒井千次「時間」 (1969年)/山本明
太宰治「走れメロス」 (1940年)/多田道太郎
尾崎翠「第七官界彷徨」 (1931年)/山田稔
織田作之助「六白金星」 (1946年)/安部政子
夏目漱石「それから」 (1909年)/多田道太郎
富岡多恵子「波うつ土地」 (1983年)/小笠原信夫
加能作次郎「乳の匂い」 (1940年)/山田稔
金鶴泳「凍える口」 (1966年)/飯沼二郎
小沢信男「わが忘れなば」 (1965年)/北川荘平
上司小剣「鱧の皮」 (1914年)/中島香
正宗白鳥「牛部屋の臭い」 (1916年)/小関三平
三、後のはなし──会報の「合本」が出来るまで
四、読んだ作品一覧