多くの作家、芸術家を魅了し、作品の舞台、創作の淵源、そして彼らの交友の拠点となった「喫茶店」。第二集では、海外の旅行記(ブラジル、トルコ、イタリア、パリ)を新たに収録。さらに、永井荷風「おもかげ」、筒井康隆「二人でお茶を」など、読み応えのある快作を加え、「面白さ」においては第一集を超える充実した内容を目指した。小説・随筆を織り交ぜた全23篇。
収録作
「コーヒー・ブレイク」長尾みのる/「「贈物だよ」と八百屋のおじいさんは言った」澁澤幸子/「女ひとり」犬養道子/「旅のたより」辰野隆/「色気と食い気」岡本太郎/「バラック・カッフェエ」久米正雄/「カフェの開く途端に月が昇った(抄)」稲垣足穂/「あの頃」立野信之/「おもかげ」永井荷風/「ぼくのコーヒーハウス」田村隆一/「火曜日の午後」串田孫一/「会話のエスプリを鍛えるために」安西冬衛/「私の遍歴時代(抄)」三島由紀夫/「W・ベンヤミンに倣って」矢川澄子/「étude 調子はずれの木琴」岩城宏之/「私たちの夜の大学」五木寛之/「ぼくの早稲田時代(抄)」川崎彰彦/「植物祭(抄)」富岡多惠子/「吹雪のハドソン川」中上健次/「逗子(抄)」森山大道/「二人でお茶を」筒井康隆/「おちょくり喫茶」田辺聖子/「後記――原稿紛失の記――」森茉莉