いま、韓国の文学、音楽、ドラマや映画に惹かれ、その社会や言語に関心を持つ人はますます増えている。本書では、著者が韓国語(朝鮮語)を学び始めた背景、この言語の魅力、痛みの連続である現代史と文学の役割、在日コリアンと言語のかかわりなどを、文学翻訳の豊かな経験から親しみやすく語る。文字、音、声、翻訳、沈黙など、多様な観点から言葉の表れを捉え、朝鮮半島と日本の人々のあいだを考える1冊。(装画:小林紗織)
【目次】
※制作中のため、変更の可能性があります。
序に代えて――1杯の水正果を飲みながら
1章 말(マル) 言葉
韓国語=朝鮮語との出会い
隣の国の人々の「マル」
マルに賭ける作家たち
2章 글(クル) 文、文字
ハングルが生まれる
文字の中に思想がある
マルとクルの奥にひそんでいるもの
3章 소리(ソリ) 声
豊かなソリを持つ言語
朝鮮語のソリの深さ
思いとソリ
4章 시 (シ) 詩
韓国は詩の国
植民地支配の下で書いた詩人
現代史の激痛と文学
惑星のあいだを詩が行き来する
5章 사이(サイ) あいだ
翻訳の仕事をしている場所
サイにはソリがあふれている
おわりに
韓国語と日本語のあいだをもっと考えるための 作品案内