映画こそがもたらす固有の世界とは何か。人間の意識と感性の拡大を目指した映画論の名著。見えないものを見えるようにすること。真にラディカルな作品とは何か。映画史的な直感から放たれる鋭利にして至高の映画論。初刊は1963年。解説:中条省平
【目次】
解説 輝きを失わない真の古典的名著(中条省平)
1
映画芸術の現代的視座
2
前衛記録映画論
方法とイメージ
ネオ・ドキュメンタリズムとは何か
隠された世界の記録――ドキュメンタリーにおける想像力の問題
3
残酷を見つめる眼――芸術的否定行為における主体の位置について
堕落したリアリズム
モダニズムとクリティック
追体験の主体的意味――『二十四時間の情事』について
4
日常性と凝視
ドラマの無いドラマ
存在の形而上学
5
「敗戦」と「戦後」の不在
芸術的サド・マゾヒストの意識
変身の論理
大衆という名の物神について
運動の変革
初版あとがき
再版に寄せて