「山谷」へは日雇い稼ぎに通った。高円寺の6畳1間の間借りから始発に乗って立ちんぼをした。「山谷」を撮りたかった。ガードレールに腰かけている様子、賭け事に屯ろするところ、立飲み屋、札を切って人を雇うところ、宿泊所などは撮影が困難だった。他人の介入を嫌うので、何かあると不穏な空気になる。紙の手提げ袋に穴をあけてレンズを出して「盗み撮り」をした。
— 橋本照嵩
橋本照嵩は自身の故郷である東北とその他の地方を撮った写真で知られる存在であるが、60年代に若き青年として初めて東京にやってきた頃、山谷に住み、日雇い労働者としてある期間働いていたことがあった。その後、彼は写真を撮るために山谷に戻った。
— マーク・ピアソン
『山谷 1968.8.1 - 8.20』は昭和中頃のコンパクトでシンプルな写真集をイメージし、わら半紙のようなざらつきのある紙面に橋本照嵩が撮った50年前の姿を再現した写真集。
判型
257 x 182 mm
頁数
44頁
製本
ソフトカバー