



古い工場をリノベーションし、韓国最先端のファッション&カルチャーの拠点として生まれ変わった街・ソンスドン。新旧が交錯する街で、石川はレンガ造りの壁に木の枝が影を落とす夕刻のたった2時間、カメラを手に、道ゆく人を撮り続けた。本作は、20世紀アメリカのドキュメンタリー写真を代表する写真家のウォーカー・エヴァンスが、労働者を取り続けた「Labor Anonymous」にオマージュを捧げた作品である。韓国最先端のファッションに身を包んだ若者、戦後を生き抜いてきた老人、軍服に身を包んだ青年たち─。石川の目を通して記録された、消費者としての現代韓国人の姿に、我々もまた、同じ壁の前を歩いていることに気付かされる。故郷・沖縄を離れ、韓国で石川がみつけた「zk(ゼッケイ)」とは何だったのか。