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<文庫>詩の構造についての覚え書――ぼくの《詩作品入門》 / 入沢康夫

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表詩を、作者の心情の直接的発露であり、それを伝える手段だとする見方は根強い。だが、詩において言葉は日常の用法とは異なる態度で取り扱われる。それゆえ、著者が「詩は表現ではない」と明言したとき、旧来の詩観は大きく揺さぶられることとなった。言葉を関係性によって捉えることが重視され、「作者─発話者─主人公」の区別に紙幅が費やされる。これらを通し、われわれは詩がどのようにして成り立つのか、その秘密に近づけるだろう。詩とはいったい何か。この問題を追究したものとして本書に並び立つ書はいまもって少ない。実作者も鑑賞者も一度は読んでおきたい詩作品入門。 解説 野村喜和夫 【目次】 第1回 はじめに   Ⅰ 手もちの材料と道具の点検  A 詩は表現ではない B 作品の構成の素材は単語だけではない 第2回 C 詩が、主として語のイマージュに依存するという考えは不適当であり、同様に、比喩(直喩・暗喩)に主な拠り所を持つという説にも、無限定には同意できない D 個々の要素の持つ意味の重層性や潜在的情動力は、適切な構造の中にところを得て、はじめて発揮される E 擬物語詩は、あり得べき詩作品の構造の一つのタイプである 第3回 Ⅱ なぜ詩の構造を云々するのか 第4回 Ⅲ 基本的な諸問題についての雑然たるメモと、そのまとめ A 作品とその要素(素材)   B 素材としての言葉のありよう C 言葉を素材とするということ 第5回 D 詩人 ―― 発話者 ―― 主人公 E どんな作品においても《詩人》と《発話者》は別である 第6回 F 《作者》と《発話者》の区別をことさらに強調することの意義 G 詩作品における《作者》と《発話者》の関係の在りようの点検 H 諸要素の構成の「方法」をめぐっての断想 第7回 I 配列とは? 順序とは? 第8回 J 《発話者》に一貫性をもたせることの得失 第9回 K 《発話者》の曖昧さ L 一つの遊び 第10回 M この章のまとめ、そしてこの連載のまとめ 第11回(補遺1) (1)偽の時間・偽の鏡 (2)時間の虐殺・時間の復活 第12回(補遺2) (1)誰が書くものか (2)誠実ということ・実感ということ (3)なにが詩作品、なにが詩人 (4)どうして題   あとがき 増補版あとがき 解説(野村喜和夫)

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