




アートとライティングが交差する芸術誌『Jodo Journal』第6号。特集「物質と(しての)芸術」では、人新世から絵画制作のプロセス、作品の保存修復まで、芸術を多層的に検討しながら、現代における物質という問題、そして物質=地層としての作品のありように迫る。
シリーズ「書くことのプラクティス」では、長年にわたる執筆について個人史(細馬宏通)や、政治的な出来事と個人的な身体の接点で書くこと(百瀬文)、また執筆の周辺に広がる環境構築(山本浩貴)まで含め、ライティングの実践や方法をめぐる多様なレクチャーを収録。
同時代の批評をめぐるクレメント・グリーンバーグ「いかに美術評論はその悪名を得るのか」(1962)を翻訳掲載。
<目次>
[レクチャーシリーズ] 書くことのプラクティス
書くことを語る資格がなくても――執筆の個人史
細馬宏通
「なめらか」な身体を記述する
百瀬文
制作の環境を制作する――執筆、編集、デザイン、出版
山本浩貴(いぬのせなか座)
[翻訳] 批評の再考
クレメント・グリーンバーグ「いかに美術評論はその悪名を得るのか」
訳:柴島彪
[特集] 物質と(しての)芸術
包摂的美学とは何か――ニコラ・ブリオーと人新世の美学
武田宙也
クレーの層序学
奥田修
間隔化と配置――マティスの分割主義と切り紙絵
松浦寿夫
保存修復と作品の物質性をめぐって――血液の細部、擬似大理石の線描、一片の和紙
田口かおり
[ブックガイド]
「書く」と「つくる」を重ね合わせる三冊
池田剛介
他…
写真:qp「今日の鴨川デルタ」