
傍から見ればそれなりに「成功した」20代を過ごし、地元に引っ越して起業して直面したのは、挫折につぐ挫折だった。信用した人間に裏切られ、責任を取らない大人にいいように扱われ、鬱から立ち直った先でお金がなくなって会社をつぶし、できることも気力もなくなり、人生の行き止まりにたどり着いた。人生の行き止まりでさまざまな人の温かみに触れ、先人たちの書を読み、学んだことは「贈与」と「愛」だった。自分がおこなってきたふるまいは「贈与」でなく「取引」で、すべてのできごとは自分で招いた結果だった。愛の修練を積み、行き止まりの先になにかを見つけることができるのか。「田舎の未来」(タバブックス)著者の、落ちた人生の1年間の試行錯誤日記